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IBDクリニックのかかり方 ~はじめに~

 

あんどう消化器内科IBDクリニックのブログです。

 

 IBD(炎症性腸疾患)の専門クリニックとして開院してから、早くも4年が経ちました。以前からIBDを専門に扱われているクリニックはありましたが、クリニック名に「IBD」が入っているところは、その当時は全国的にもまだまだ少なかったと記憶しています(少なくとも兵庫県内で「IBDクリニック」と名乗ったのは当院が初めてらしいです)。現在では、日本各地にIBD専門クリニックが出来ており、患者さんにとっても利用しやすい環境が整ってきているように感じます。

 

  あっという間です…

 

 

 ただ、「IBD専門クリニックってなに?」と疑問を持たれる方も多いのではないでしょうか?お陰様で、当院にも大学病院や地域の総合病院、市中の胃腸科や消化器内科のクリニックから紹介いただくことも増えてきました。皆さんすでに診断がついていることが多く、それまでに紹介元で色々と治療を経験されたうえで、新しい環境に変わられることになります。「今までと同様の治療が受けられるのか?」「病気のことをちゃんと理解してもらえるのか?」「悪くなったときはどうしたらいいのか?」「怖い先生だったら嫌だな・・・」など、不安に思われることもあるかと思います(最後のはIBD専門クリニックとは関係ないですけど😅)

 

 そこで今回と次回に分けて、「IBD専門クリニックって普通のクリニックとどう違うの?」「今までは大きな病院で診てもらっていたけど、クリニックに移ったらどんな感じになるの?」など、IBD専門クリニックへの受診を考えている方々の疑問にお答えしたいと思います。当院だけでなく、他のクリニックも同じような感じかと思いますので、ご参考にしていただければ幸いです。

 


 

 

 IBDクリニックの特徴をお話しする前に、まずIBDを診るためには何が必要かをお話しさせていただきます。

 

  • IBDの診療経験が豊富
     潰瘍性大腸炎やクローン病の治療は、現時点では残念ながらゴールがありません。長い経過の上では実に様々なことが起こりえます。そんな時、治療者は過去の経験と知識に基づいて治療法を(まさしく)ひねり出します。また、両疾患とも同一の病名でも全く違う経過をたどることも多く、「過去に同じような状況をどれだけ経験したか」は、治療が長期にわたるIBDでは特に重要となります。
  • 正確な診断をすることができる
     当たり前のことですが、潰瘍性大腸炎とクローン病は違う疾患です。ですが、非常に紛らわしい症例もよく見られます。また、この2疾患以外にも似たような症状、経過、検査結果を呈するものも多々あります。紹介いただいた方でも、「この人、ほんとにこの病気であってるのかな…」と思う事もよくあります。最初の診断はもちろん、治療の途中であっても、「本当にこの診断で正しいのか?」と考えながら治療にあたることが大切です(一度言ったことを後で訂正するのって、結構勇気がいるんですよね…、何事もですが😮‍💨)。
  • 適切なタイミングで適切な病状の評価ができる
     IBDは体の中で起きている病気です(正確には体の外なのですが…ややこしいのでこの話は別の機会に)。もちろん、症状から予想することもできますが、それが本当に病気の状態と比例しているとは限りません。今している治療で本当によくなっているのか、近い将来に悪化する可能性はないかなどの評価が非常に重要です。適切なタイミング、適切な方法で、「今の病気の状態」を評価する必要があります(同時にやりすぎないのも大切です)。
  • 患者さんの想いやライフスタイルを考慮した治療ができる
     以前、SDMの話をさせてもらいました(ブログ:「○○の助けをちょっと借りて」 ~IBD診療におけるSDMについて~)。治療者が思う「適切な治療」と患者さんが思う「適切な治療」が必ずしも一致するとは限りません(むしろ一致しないのが当然です)。診察という限られた時間の中で、お互いが納得しながら、いかに最適な答えを見つけていくかが大事になります。

 

 

 かなり私見ではありますが、これらが実行できることがIBD専門クリニックの条件になるのではと考えます。

 

 

 

   たぶん、こんな感じの先生はいません…

 

 

 

 IBDクリニックに移られるパターンは、①一般の消化器科からの転院と②大学病院や総合病院からの転院 があります。次回以降、それぞれについてお話しします。

 

 

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