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当院では『コールドポリペクトミー』という方法で日帰りポリープ切除を行っています。
大腸ポリープとは
「ポリープ」とは、主に胃や大腸、胆のうや子宮など、管状あるいは袋状の臓器にできた隆起物のことを言います(肺ポリープや肝臓ポリープ、皮膚ポリープというのはあまり聞かれたことはないですよね)。ですから、ポリープという言葉自体に病気という意味はありません。ですが多くの場合、大腸ポリープという言葉は、「今は良性だが、放っておくとがんになる可能性があるポリープ(正確には“腺腫”と言います)」という意味で使われています。
ポリペクトミーとは
ポリープを切除することを“ポリペクトミー”と言います。従来はスネアという特殊なワイヤーでポリープの根元を絞めて高周波電流を流して切除する方法が主流でした。
この方法は電流を流しながら切除をするため、かなり大きなサイズ(20㎜以上)の病変の切除が可能です。また、電気を流しながらの切除になるため、切りながら止血の効果も期待ができます。
しかし、この“焼きながら切る”というのが逆にデメリットになることもあります。確かに、電気を流しながら切除した場合、切除直後の出血はほとんどありません。しかし、人工的に大腸粘膜にやけどを起こすわけですから、後々切除した傷口が広がって出血をしたり、腸の壁に穴が開いてしまうなどの合併症が起こりえます。
コールドポリペクトミーとは
近年、切除する際に高周波電流を流さずにそのまま切除する方法が急速に広まっています。電気で焼く(ホット)ことをせずに行うポリープ切除なので、「コールドポリペクトミー」と呼ばれます(冷やしながら切除するわけではありません)。つまり、病変をそのまま“ちぎる”ことになります。“ちぎる”ので、切除直後はわずかに出血します。しかし、出血はすぐに止まり、後出血はまずみられません。ポリープ(腺腫)は浅い層に限局した病変であり、切除後の傷も浅いため、傷が大きくても治癒が早く重大なトラブルを起こすことは稀です。
当院で切除可能なポリープ
コールドポリペクトミーの特性上、あまり大きな病変は切除ができません。また、“表面をちぎる”切除であるため、盛り上がっていない病変はすべてを取り切れない可能性があります。すなわち、大きさが10㎜程度まででやや隆起しているもののうち、がんを疑う所見がないポリープ(腺腫)が治療対象になります。明確なデータはありませんが、治療が必要なポリープの約8割程度がここに含まれているとも言われています。
大腸がんは非常に多いがんですが、早期発見、早期治療でかなりの確率で予防が可能ながんでもあります。また、ポリープのサイズが小さいうちであれば、より安全・確実に治療を行うことが可能です。大腸カメラを受けられたことがない方、過去にポリープ切除を受けられたことがある方、ご家族に大腸がんの方がいらっしゃる方などは、一度大腸カメラを受けられることをお勧めします。