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おなかブログ

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A・I・ぶるーす

 

あんどう消化器内科IBDクリニックのブログです。

 

 スマホの音声アシスタントやお掃除ロボット、地図アプリの経路案内など...気づかないうちにAI (Artificial Intelligence:人工知能)は私たちの生活に欠かせないものとなっています。それに比べると明らかに遅れてはいますが、医療の分野にも徐々にAIが活用されるようになってきました。問題が山積している医療界においては、これからさらに活用が進むことは間違いありません。(AI活用が日本の医療が生き残る道…前に立ちはだかる既得権まみれの「診療報酬制度」と「医療法」の壁)

 

 

 内視鏡検査の分野でもAIの活用はすすんでおり、検査中にリアルタイムで「病変の検出」「病変の鑑別」を行うシステムが、大病院や一部の内視鏡専門クリニックなどではすでに導入されています(うちには無いですけど😅)(日本消化器内視鏡学会HPより)

 

 当院が力を入れているIBD(炎症性腸疾患)の分野でも炎症状態を評価するAIはすでに薬事承認を受けていますし、その他治療効果判定や他の紛らわしい腸疾患との鑑別の補助に役立つシステムの開発も進んでいます(当然無いですけどね、うちには😏)

 

 内視鏡での病気の発見から診断、治療には、現状ではかなり「職人的」な技術が必要になっています。なが~い腸の中で数ミリのポリープを見つけるにはある程度の慣れが必要ですし、病変が非典型的であればあるほど検査をする人間の経験(とちょっとの勘)に頼る部分が大きくなります。膨大なデータをもとに解析し、自ら学習していくAIによる客観的な診断は今後ますます広まっていくことは間違いありません。

 

 

        AIが作成した謎のイラスト・・・

 

 

 さてさて、そんな折、先日世界的に非常に権威のあるLancetという医学誌に興味深い論文が発表されました。

『Endoscopist deskilling risk after exposure to artificial intelligence in colonoscopy: a multicentre, observational study』
The Lancet Gastroenterology & Hepatology
(大腸内視鏡検査におけるAI導入後の内視鏡医のスキル低下のリスク)

 

「ポーランドなどの国際チームが、約2200人分の検査データを分析した。ポーランドで内視鏡検査を実施する4施設のデータを解析。担当した医師は19人で、8〜39年の経験があった。AI導入前の3カ月間に検査を受けた795人のうち腺腫が見つかった人は28.4%。AI導入後の3カ月間は、検査を受ける人を、AIを使う検査と使わない検査に割り振ったところ、AIを使わない検査を受けた648人では腺腫の発見率が6ポイント低下し22.4%となった。AIを使って検査した734人では目立った低下はなかった。」

 要するに、「AIに頼って検査をすると慣れた先生でも病気の発見率が6%低下したよ」ということになります。

 

 この結果をどうとらえるかは人それぞれでしょう。「AIに頼ってしまうと人間の能力が落ちてしまう。AIに頼るのは良くない」と考える方もいると思います。逆に、「人間は不完全であり、間違えるものである。積極的にAIを取り入れるべきだ」と思う方もいるかもしれません。もしくは「不完全だからこそ、AIに補助してもらいながら技術を磨いていかなければ」というのも一つの考え方ですね。

 

 実際に検査をしている立場としては内視鏡の挿入だけをして後はAIにおまかせ、というのは・・・、何というか・・・なんか味気ない気がします。できるだけ苦痛なく内視鏡を挿入するのは当然のことで、大切なのは、どれだけ「検査を受けて良かった」と思ってもらえるかだと思います。そのためには検査中のコミュニケーションによる不安感の軽減や、丁寧な観察による安心感は必ず必要な要素です。挿入するだけでそれができるのかと考えたら・・・かなり疑問です。

 

 

   何か…ね

 

 良いか悪いか考えている余地もなく、AIは生活の中に入り込んできます。もちろん医療の世界にも例外ではありません。そうであれば拒絶するのもちょっと違うのかなとも思います(基本、新しい物好きですし🤗)。良い点、悪い点を十分に理解し、本来の目的を忘れずにうまく付き合っていきたいですね。

 

 


 

 

夏もそろそろ終わり(のはず)、ではありますが・・・、

 

The Who – Summer Time Blues

 

 個人的に大好きなバンドの一つである、The Whoが1970年のワイト島で行った伝説的なライブパフォーマンスです。原曲はこちらも伝説的なアーティストであるエディ・コクランが1958年に発表した楽曲です。若者の社会に対する鬱屈した感情を歌った内容ですが、The Whoはよりヘヴィかつアグレッシブに演奏し、原曲の持つ「不満」や「怒り」の感情が爆発しています。

The Whoはメンバーは減りましたが、今も現役で活動中です(祝・デビュー60周年!)。個人的にはこの曲を含めた初期よりも、それ以降のアルバム(”Who’s Next”や”四重人格(Quadrophenia)”)の方がより好きだったりします。機会があればぜひ聞いてみてください😄

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