おなかブログ
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あんどう消化器内科IBDクリニックのブログです
ようやく梅雨入りですね。気圧や気温の変化の激しいこの時期に頭痛やだるさなどの体調不良を感じられる方も多く、最近は「気象病」という病名とともにメディアなどで取り上げられることも多くなっています(体の不調 天気のせいかも!? NHKクローズアップ現代)。 直接おなかの症状が出る方はそれほど多くない印象ですが、気象病により自律神経の不調が起き、そこからおなかの症状が悪化するということはあり得ます(前回のブログもご覧ください🙇♂️)。皆さん、しっかり体調管理してうっとうしい季節を乗り切りましょう!
そして、この時期と言えば・・・、そう、「難病受給者証」更新の時期です。複雑化、高度化(それに伴って治療費が高額化↗)した潰瘍性大腸炎・クローン病の治療を十分行うために、必ず必要になる大事な制度です。早めに更新をすませて、安心して治療を受けられるようにしましょう。
(そうなんですけど次々と診断書の依頼が来るので、書いても書いても減らないんですよね…、あぁ頭が痛い😱)
少し前になりますが、都内の複数の医師が集団でGoogleを提訴したというニュースがありました(“グーグルマップの不当なクチコミ投稿で権利侵害”医師ら提訴 NHK NEWS WEB)。これは、「事実と異なる内容や、理由を付けない最低評価といった投稿が繰り返され、削除を依頼しても対応してもらえないなどとして、都内のクリニックの医師ら63の個人と団体がアメリカのGoogleに対し、あわせて144万9000円の損害賠償を求める訴えを東京地方裁判所に起こし」た、というものです。このニュースで注目されるところは、訴えた相手がクチコミを投稿した本人ではなく、サイトを運営しているGoogleであるというところだと思います。また、つい先日ですが、予防接種を受けに来た人に対し、Googleマップのクチコミでの高評価を依頼、投稿した人に接種料金を割引するという行為が違法行為にあたるため行政処分を受けたというニュースもありました(ステマで初の取りやめ命令、医療法人がグーグルマップ「星五つ」投稿させる…予防接種550円割引き)。これらは極端な例ではありますが、他の業界と同様(もしくはそれ以上?)に医療もクチコミの影響を受けざるを得ないことがうかがえます。
「クチコミ」という言葉が使われ始めたのは、1960年代初頭とされています。評論家の大宅壮一氏が、「マスコミ」と対比する言葉として「クチコミ」を造語し、1963年出版の『現代用語の基礎知識』に解説を掲載したのが最初とされています。当時の「マスコミ」は新聞や雑誌などで、(主に)大手の媒体が不特定多数に情報を一方的に伝達するのみでした。しかし、テレビの出現をきっかけに、伝えられる情報に対して批判的にも受け止められるようになり、それによる意外な影響力の強さを表すキャッチフレーズとして「クチコミ」という言葉が生まれたようです。双方向メディアであるインターネットが生活に深く入り込んでいる現代では、当時よりもはるかに「クチコミ」のもつ影響力が大きくなっていることは、皆さんが感じられているのではないでしょうか。
今回問題となったのは、おそらく最も利用者が多い(というか、嫌でも目に入る😟)Googleマップのクチコミです。私たちは、いつの間にか「☆がいくつあるか」をみるのが当たり前になってしまっていますが、そういえばいつ頃から目にするようになったのでしょうか?気になったので、特に医療系のものを中心に調べてみました(GoogleのAIに調べてもらったんですけど🤫)。
日本におけるクチコミサイトの歴史
1999年 | 日本初の総合クチコミサイト「発言小町」開設 |
2001年 | 飲食店に特化したクチコミサイト「ぐるなび」開設 |
2004年 | 旅行クチコミサイト「トリップアドバイザー」日本版が正式オープン |
2007年 | Googleマップにクチコミ機能が導入 |
2007年 | 患者による医療機関の評価を集めたウェブサイト「みんなの病院」が運営開始 |
2008年 | EPARKが「EPARKクチコミ」を開始 |
2010年 | 「caloo」が運営開始 |
2013年 | 「医者クチコミサイト」が運営開始 |
2015年 | 厚生労働省が「医療情報・プラットフォーム事業」を開始 |
「クチコミ」がネットに登場するようになりすでに20年以上、生活に深く入り込んでいるのも納得です。医療系に限っても15年以上前からクチコミサイトが存在していたことが分かります。特に医療に特化したクチコミサイトの場合ですと、クチコミと合わせて診療日や時間、標榜科(何を専門にしているか)の情報などが簡潔に書かれており、”なんとなく調べる”には便利…、ではあります。ちなみに、日本でGoogleマップにクチコミ機能が導入されたのと医療系のクチコミサイトの運営が始まった時期がほぼ同時期というのもなかなか興味深いところです(病院受診も他のお店を利用するのと同じような感覚になってきたというか・・・)。病院に限らず、初めて利用するお店は緊張しますし、本来あまり行きたくなはずの病院であればなおさら不安を感じると思います。そんな時、他人が書いたクチコミは確かに参考になりますよね。
ただ、多くの医療機関が「保険診療」という、他業種と比べてかなり変わったシステムをとっているという事も覚えておいていただきたい点です。つまり、一人の方にどれだけ丁寧に時間をかけて診察をしても、それで得られる収入は日本全国同じ値段であり、いわゆる「企業努力」が形として表れにくいという現実があります。クチコミを書き込まれる方は当然そんなことまでは意識されなと思います。「病院のクチコミは他とはちょっと違うんだな」ぐらいに思って見ていただければ嬉しいです(まぁ、忖度されまくっているクチコミもどうかとは思いますけど🤔)
医療系クチコミサイトで注意していただきたい点がもう一つあります。医療系口コミサイトは基本的にその医療機関の許可をとって掲載しているのではなく、厚労省などに届け出されている情報をそのまま載せているだけのものが大半であるという事です。サイトによっては情報もほとんど更新されることがなく、古い情報がそのまま掲載され続けているということもよく見られます(事実、うちのクリニックも開業時の情報のままだったり…だいぶ変わったんですが😮💨)。当然、クチコミも古いものがそのまま残っていることが多く、現在とは全く違う、ということも十分あり得ます。クチコミに限った話ではありませんが、自分で正しい情報を見分ける能力がますます重要になってきますね。
望むか望まないかは関係なく、「クチコミ」の重要性はますます高くなっていますし、星を付ける側も付けられる側も意識をせざるを得ないと思います。「クチコミ」に振り回されることなく、上手に付き合っていきたいものです。
今回の曲は当然これです。
1940年のディズニー映画『ピノキオ』の主題歌である、『星に願いを』(原題:When You Wish upon a Star)は、特にクリスマスソングの定番となっています。超有名曲であり、有名無名問わず世界中で多くのカバーが存在します。どれもしっとり歌い上げられており甲乙つけがたいのですが、今回はあえてこちらにしました。
When You Wish Upon a Star : Eikichi Yazawa
まさかの「永ちゃん」、です😎(笑)。2003年に発売されたDVD「ピノキオ -スペシャル・エディション-」の日本版PRソングとして収録されました。ロックのイメージが強いE.YAZAWA(あまり詳しくないですけど)ですが、ここでは感情のこもった素敵な歌声を披露しています(ロックボーカリストの歌うバラード、大好きです😍)。