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コロナ、ワクチン、コロナ...

あんどう消化器内科IBDクリニックのブログです。

 

 大方の予想通り、関西エリアを中心にコロナが増えてきていますね…。第4波が来ているとも言われていますが、結局感染者数の増減はあるものの、昨年から状況が変わることなく続いてしまっています。一刻も早い収束を願わずにはいられません。

 

 状況を変えうる恐らく唯一の方法はワクチン接種であろうと思います。事実、ワクチン接種が進んでいるイギリスでは、接種が進むにつれて感染が収束に向かっているとの報道もあります。残念ながら、国内では当初の発表に比べるとずいぶんと遅れているようです。関係各所の方は最大限努力されていますので、早く結果として表れてほしいところです。

 

 以前、ワクチン接種に対する私見をブログにアップさせていただきました。今回は厚生労働省の研究班である、「難治性炎症性腸疾患に関する調査研究班」が公表している「IBD 患者における新型コロナウイルスワクチン接種に関する Q & A」のうち、潰瘍性大腸炎やクローン病などの患者さんに知っておいてもらいたい内容をピックアップして掲載させていただきます。以前の内容と被るところもありますが、接種する際の参考にしていただければと思います(というか、こちらの方を参考にしてください(^^;)

 

 


 

Q. 炎症性腸疾患の患者さんは新型コロナウイルスワクチンの接種を受けるべきでしょうか。

 

A. いずれの新型コロナウイルスワクチンも高い有効率が報告されており、新型コロナウイルス感染の予防に有効と考えられます。また、感染したとしても重症化しづらくなると報告されています。これらは、炎症性腸疾患の患者さんに限らず、新型コロナウイルスワクチンの大きなメリットです。さらに、炎症性腸疾患の患者さんが新型コロナウイルスへの感染率が高いということはありませんが、炎症性腸疾患が悪化した場合には高用量ステロイドの投与が必要になることがあります。高用量ステロイド は、新型コロナウイルス の重症化リスクであると報告されています。そのため、炎症性腸疾患の患者さんでは新型コロナウイルスワクチンを接種するメリットはあると考えられます

 一方で、どんなワクチンでも副反応のリスクは避けられません。特に新型コロナウイルスワクチンは、これまでになかった種類のワクチンですので、長期的な安全性など分かっていないことも多くあります。個々の患者さんで新型コロナウイルスワクチンを接種するベネフィットとリスクを考えて接種の可否を判断する必要があります。

 日本での新型コロナウイルスワクチン接種について、厚生労働省は優先順位として、(1)医療従事者等、(2)高齢者 (65 歳以上)、(3) 高齢者以外で基礎疾患を有する方や高齢者施設等で従事されている方、と発表しています。そして、基礎疾患として「ステロイドなど、免疫の機能を低下させる治療をうけている」という項目が入っていますので、免疫を抑制する薬の投与を受けている炎症性腸疾患の患者さんも優先接種の対象になると考えられます

 海外の専門機関からは、炎症性腸疾患の患者さんは可及的速やかに新型コロナウイルスワクチンを接種すべきであるとの提言が出されています。

 ただし、ワクチン接種に関する提言の内容はその国、地域の感染状況や社会情勢により影響をうけている可能性があります。個々の患者さんにおかれましては、これらの情報を参考にしていただき主治医の先生と十分にご相談いただければと思います。

 

Q. 免疫を抑制する薬剤を服用している場合でも、新型コロナウイルスワクチンは接種できますか。

 

A. 日本では優先接種対象となる基礎疾患として「ステロイドなど、免疫の機能を低下させる治療を受けている」が挙げられていることから、免疫抑制状態でも新型コロナウイルスワクチンの接種は可能です 。アメリカおよびイギリスの規制当局の判断でも、いずれのワクチンも免疫抑制状態での接種が禁忌ということにはなっていません。しかし、米国 CDC からは、免疫抑制薬の投与を受けている患者さんにおける新型コロナウイルスワクチンの安全性・有効性に関するデータはないことから、患者さんに説明が必要であるとしています。

 免疫を抑制する薬剤を投与されている患者さんにおいてはワクチンの有効性が低下する可能性があります。例えば、抗 TNF 抗体製剤(レミケード、ヒュミラ、シンポニーなど)の投与を受けている炎症性腸疾患患者さんでは、インフルエンザ、B 型肝炎ウイルス、肺炎球菌に対するワクチンによる抗体価が減弱していたことが報告されています。現時点では、免疫抑制薬による新型コロナウイルスワクチンへの影響は不明です。

 今後、弱毒生ワクチンや複製能を保持したアデノウイルスベクターを使用したワクチンも開発されおり、これらのワクチンは、免疫を抑制する薬剤を投与されている患者さんには接種できません。日本で接種可能となる 3 種類はこれらに該当しません。

 

Q. 新型コロナウイルスワクチン接種で炎症性腸疾患が悪化することはあるでしょうか。

A. 新型コロナウイルスワクチンの炎症性腸疾患への影響は不明です。まず、現時点では新型コロナウイルスワクチンによる重篤な消化器系の副作用は報告されていません。また、これまでの研究では、肺炎球菌ワクチン、インフルエンザウイルスワクチンなどの一般的なワクチン接種後に炎症性腸疾患が悪化することは少ないと報告されています。

 


 

残念ながら、今の状況はまだまだ続きそうです。やれることをしっかりやり、一緒に乗り越えていきましょう。

 

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