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風物詩(?) ~難病受給者証更新の時期です~

 

 あんどう消化器内科IBDクリニックのブログです。

 

 以前ブログで、『食べることと出すこと』(頭木 弘樹(著)(医学書院))という本を紹介させていただきました(ブログ「悩める管」、に悩む人)。潰瘍性大腸炎に罹患された著者ご自身の体験が、鋭い感性で生き生きと綴られており、IBD診療にかかわる医療関係者の方は是非読んでいただければとお伝えし、実際周りの方にも好評なようです。そんな中、当院とほぼ同じ時期に阪神西宮駅前でご開業されている『ひだ胃腸内視鏡クリニック』の樋田信幸先生ブログでこちらの本を取り上げてくださいました。同じIBDを専門とされている先生が、同じように関心を持っていただけて大変うれしいです(樋田先生、ありがとうございます!)。引き続き多くの人が手に取ってもらえたらと思います(…宣伝して僕が何か得するわけではないんですけどね 😆 )

 


 

 皆さんは、「難病医療助成制度」というのをご存じでしょうか。国が定める指定難病は令和3年11月の時点で338疾患があり、潰瘍性大腸炎やクローン病の他、好酸球性消化管疾患も指定難病に含まれており、症状の程度が一定以上の場合にこの制度の対象となります(制度の詳細については難病情報センターホームページをご覧ください)。個人的には、「難病」という言葉はあまり好きではないのですが(なんかネガティブな響きがしませんか 😥 ?)、便宜上よく使われている言葉です。

 

 「難病」という言葉は実は医学用語ではなく、国が定めた法律用語です。昭和47年10月、当時の厚生省が定めた「難病対策要綱」によると、「難病」を以下のように定められています。

 

  1. 原因不明、治療方法未確立であり、かつ、後遺症を残すおそれが少なくない疾病
    (例: ベーチェット病、重症筋無力症、全身性エリテマトーデス)
  2. 経過が慢性にわたり、単に経済的な問題のみならず介護等に著しく人手を要するために家族の負担が重く、また精神的にも負担の大きい疾病
    (例:小児がん、小児慢性腎炎、ネフローゼ、小児ぜんそく、進行性筋ジストロフィー、腎不全(人工透析対象者)、 小児異常行動、重症心身障害児)

 

 50年前に定められたものですが、この当時の難病に当てはまる代表的な疾患には潰瘍性大腸炎もクローン病も取り上げられていません。現在の患者さんの数を考えると、両疾患がかに急速に増えてきているかが分かります。

 

 

 その後、平成26年5月に成立した、「難病の患者に対する医療等に関する法律(通称:難病法)」により「指定難病」という言葉が以下のように定義されました。

 

 難病の定義である、

  1. 発病の機構が明らかでない
  2. 治療方法が確立していない希少な疾患
  3. 長期の療養を必要とするもの、       に加えて、
    • 患者数が本邦において一定の人数(人口の約0.1%程度)に達しないこと
    • 客観的な診断基準(またはそれに準ずるもの)が成立していること
      が挙げられる。

 

 現在、潰瘍性大腸炎の方は約20万人、クローン病の方は約5万人ぐらいいると言われています(いずれも推定)。いずれの疾患も ④長期の療養を必要とする、ことは間違いありませんが、①~③が当てはまるかどうかは正直微妙です。そのため、(特に潰瘍性大腸炎については)難病制度から外れるのではないかという話題が常に挙がります。それだけ治療法が確立されてきたという喜ばしい面もありますが、引き続き皆さんが安心して治療を受けていただけるように、行政からのしっかりとしたサポートの継続を望みます。

 


 

で、なんで今回こんな話をしたこと言いますと…、只今、「難病受給者証」の更新時期でして…、毎日のように更新のために必要な診断書の作成依頼があるので…、書いても書いても減らず…、別に嫌なわけじゃないですけど…、ちょっと大変だなという…、まぁ、単なるグチですけど 😐 

 

というわけで、受給者証の更新が必要な方はお早めにご依頼くださいませ m(__)m

 

 

 

 

 

 

そろそろ梅雨入りですね・・・

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