おなかブログ
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あんどう消化器内科IBDクリニックのブログです。
寒い日が続いていますね。相変わらずインフルエンザやコロナなどの感染症が流行っているうえに、今年は花粉の飛散も早いとのことです。うちのクリニックが入っているクリニックモールには耳鼻咽喉科も入っていますが、連日大盛況のようです(うらやましい・・・)。おなか専門である当院は、寒さも暑さも関係なく今日も平常営業です(胃腸炎なんかは多少季節に関係しますが)。
どっちか分からない・・・
電車通勤なので、仕事の行き帰りは大抵スマホからランダムに流れてくるニュースを何となく見ているのですが、ちょうど同じ日に気になる二つの記事を目にしました。
東京の転入超過7・9万人 コロナ禍前と同水準に 転出超過は40道府県 (日本農業新聞 2025年1月31日)
「・・・大都市圏では東京圏(千葉、埼玉、神奈川、東京)と大阪圏(大阪、兵庫、京都、奈良)が転入超過となったが、地方は人口減が加速。45道府県で東京への転出者が東京からの転入者より多かった。」
ご存じの通り、主に出生率の低下により日本の総人口は年々減少を続けています。全体数が減っている中で大都市圏の人口が増えているということは、それ以上に地方の人口減少が加速しているということになりますね。この状況は医療の世界でも非常に大きな問題となっており(医師数増加なのに医師不足?:NHK)、国も対策を練っていますが(「医師の偏在」新たな対策案 厚労省:NHK)、根本的な解説策は見いだせていません。この問題には色々な問題が複雑に重なりあっており、とても一言では語れませんが、この、「地方から大都市への人口集中」というのも間違いなく大きな要因の一つです。
で、もう一方の記事はこちらです。
24年の労働力人口、過去最多 7千万人に迫る、高齢者と女性が増加 (朝日新聞デジタル 2025年1月31日)
「少子化で生産年齢人口(15~64歳)は減少している一方、労働力人口は働く意欲がある高齢者や女性が押し上げる・・・。」
こちらも同じく、「全体は減っているのに一部だけは増えている」という話題です。労働力人口とは、「15歳以上の人口のうち労働する能力と意思を持つ人口」のことを意味します(実際に働いている人の人口ではない、というのもポイント)。女性の社会進出が進んだというポジティブな面もありますが、高齢者の方も含めて、「働かざるを得ない」という側面もあると思います。
先の記事で、大都市圏への流入の割合は女性が多いというデータもあります。これらをつなげて考えると、①全体の人口は減っている⇒②働きたいと思っている人は増えている⇒③地元には若い人(特に女性)が働きたいと思う仕事がない⇒④就職の為に大都市圏へ移住⇒⑤地方の人口減少⇒⑥少子高齢化がさらに進む⇒①・・・という、負のループになっていくことは容易に想像できます。
と、そんなことを思っていた翌日、タイミングよく流れてきたのが次の記事です。
キラキラ系「直美」医師が急増中 技術力より「ホスト的スキル」がモノを言うワケ (AERA dot 2025年2月1日)
「医学部卒業後、2年間の臨床研修を終えてすぐに美容クリニックに就職する(=直美・ちょくび)医師が増え、地方を中心に医師不足が深刻化する・・・」
こちらも数年前から話題になっていたことであり、古めのタイプの医者(最近受け入れた…)の自分としては色々思うところもあります(決して否定的という訳ではないのですが)。確かに”商売”として医療を見たとき、こんなに変わった仕組みの業界は他に見当たりません。通常の商売は「需要と供給」のバランスで成り立っており、「需要」を高めるために各社各店舗で色々工夫を凝らして商品の価値を高めるという努力をされていると思います。一方、保険医療にかかる費用は全て国が定めた「保険点数」によって細かく決められており、「提供するサービスの質」は一切反映されません。つまり、値段が決まっているため、「比較的安定はしているけど、頑張っても(収入という面では)あまり報われない」ということになります。この状況で、美容を中心とした自由診療にすすむ医師が増えるのも仕方がないのかなとも思います(古めのタイプの医者ですけど)。
でも、消化器内科もなかなかおもしろいですよ
埼玉・八潮市の道路陥没事故のニュースを見ても思うのですが、最近は色々無理して頑張ってきたひずみが色々なとことで出ているなと感じます。今までのやり方にとらわれず、柔軟に(かつ楽しんで)進んでいきたいと思う今日この頃です。
で、そんな感じで今回のブログを締めようとしていたら、こんな記事が目に留まりました。
兵庫・宝塚の夫妻が254億円寄付 市立病院建設費などに(日本経済新聞 2025年2月3日)
「捨てる神あれば拾う神あり」という言葉がありますが・・・、すげぇな😅
偶然をあてにするのもあれですが、世の中そんなに悲観しなくても良いのかな、と思えたニュースでした。
そりゃそうですよね…