おなかブログ
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がん発生のメカニズムの解明や原因の特定によるがんの抑制を目的とした国際がん研究機関(IARC)という国際機関があります。ここが公表している「発癌性リスク一覧」のグループ1(人に対する発癌性が明らかなグループ)に含まれる感染症の最上位は、ピロリ菌感染による胃がんの発症となっています(その他はヒトパピローマウイルスによる子宮頸がん、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスによる肝細胞がんなどです)。言い換えれば、胃がんはピロリ菌を除去することでかなりの確率で予防することができるがんである、と言えます。
除菌治療の流れ
除菌治療は医療保険を使っての治療が可能ですが、そのためには以下のような条件があります。
① 内視鏡検査または造影検査で胃潰瘍または十二指腸潰瘍と診断された患者さん
② 胃MALTリンパ腫の患者さん
③ 特発性血小板減少性紫斑病の患者さん
④ 早期胃がんに対する内視鏡的治療後胃の患者さん
⑤ 内視鏡検査で胃炎と診断された患者さん
多くの方は①または⑤で除菌治療を受けられることが多いと思います。したがって、除菌治療を受けるためには胃カメラを受けることが必須であると言えます。
※ 他院で1年以内に胃カメラを受けられ慢性胃炎(萎縮性胃炎)を指摘されている方は、除菌治療前の胃カメラを省略することができますので、事前にお申し出ください。
除菌が成功しても胃がんになる確率がゼロになるわけではありません。治療が終了した後も、胃カメラによる定期的な経過観察をお勧めします。