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『クローン病・潰瘍性大腸炎がなかなか良くならない時に読む本』

 

あんどう消化器内科IBDクリニックのブログです。

 

 海外旅行へ行かれたことがある方なら、「地球の歩き方」というガイドブックをご存じかと思います。「それまでの旅行ガイドブックは現地の観光スポットの紹介を中心に構成されていたのに対して、個人旅行者の利用を念頭に、現地での移動や滞在など「手段」のガイドを中心に据えた構成」(Wikipediaより)となっており、観光情報、歴史背景、アクセス、レストラン、ホテル、トラブル対処法、会話集など、圧倒的な情報量で、海外旅行には欠かせないバイブルですよね。コロナ禍で海外旅行に行けない昨年には、「地球の歩き方 日本」が発売されたことも少し話題になっていました。

 


 

 潰瘍性大腸炎やクローン病などの慢性疾患は、基本的には生涯付き合わなければいけない存在です。それはもしかしたら、言葉も通じない見知らぬ土地を歩く海外旅行に近い感覚なのかもしれません。そんな時に、頼りになる”ガイドブック”があれば非常に心強いのではないでしょうか?

 

 この度、潰瘍性大腸炎やクローン病で治療を受けられている方に是非読んでいただきたい本が発売されましたのでご紹介します。

「クローン病・潰瘍性大腸炎がなかなか良くならない時に読む本」
 ──最新治療とセルフケア──
伊藤裕章・著(錦秀会インフュージョンクリニック院長)

三雲社

 

 インフュージョンクリニックは大阪(グランフロント大阪の9階!…超一等地です 😯 )にある、炎症性腸疾患とリウマチの専門治療を行うクリニックです。長年IBD診療に取り組まれてきた伊藤先生が、「患者さんに理想の治療環境を提供したい」という熱い思いを実現するために立ち上げられたクリニックであり、IBD専門クリニックのお手本として以前当院のスタッフも見学させていただいています(ブログ;女子旅(?))

 

 内容はぜひ実際に読んでいただきたいのですが、特に興味深いのがまさしくタイトルにある通り、「なかなか良くならないときにどうすればよいか」について、非常に具体的かつ分かりやすく書かれている点です。最新治療一辺倒ではなく(もちろんこれらについてもわかりやすく解説されています)、普段の生活で何を意識したらよいかや、主治医や医療スタッフとどのようにかかわったらよいかなど、知っておくことで、不安が多い”IBDライフ”に少し自信と安心感をもって過ごしていけるのではと思わせる内容となっています

(余談ですが、伊藤先生の治療の考え方や患者さんへの思いなどが、僭越ですが自分とすごく近いものを感じて何か安心します 😆 )

 

 最近は、医療者と患者さんがエビデンス(科学的な根拠)を共有して一緒に治療方針を決定するという、SDM(Shared decision making)という考え方が広まっており、慢性疾患である潰瘍性大腸炎やクローン病はもっともSDMが大事な病気のひとつです。とはいえ、患者さんからしたらなかなか医療者と同じ知識をもって接するのはむつかしいと思いますが、その際にこの本は非常に心強い”ガイドブック”になるのではないでしょうか

機会があれば是非手にとって読んでいただきたい本です。

 

 

唯一の欠点は・・・患者さんがしっかり理解されたら診察の時に僕のほうから改めて説明することが無くなってしまうという事ぐらいです 😐

 

 

 

「IBDの歩き方」みたいな感じ(?)

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