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おなかブログ

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令和8年患者会、終わりました!

 

あんどう消化器内科IBDクリニックのブログです。

 

 いやぁ~もうあれですな、暑い🥵。仕事の時は基本的に朝夜の通勤時しか外に出ないので、「今年は意外と涼しいかも…」と思っていましたが、期待を裏切らず(?)しっかり暑くなってきました。テレビなどでも連日、「今日も熱中症で○○人救急搬送されました。」というニュースが流れ、熱中症対策のための水分摂取が呼びかけられています。熱中症の代表的な症状としてはめまい、頭痛、倦怠感、筋肉痛などが見られますが、消化器症状もよく見られます。脱水や塩分不足による血流低下で胃腸の働きが鈍くなり、吐き気や腹痛、下痢などがみられることがあります。熱中症の初期症状として表れることもありますので、「何かおかしいな」と思ったときは、まず涼しい場所で安静にし、しっかり水分、塩分補給を行ってください(それでもだめなら病院へ!)

 

 もうこんな感じでもOK!

 

 熱中症でなくても、夏場は胃腸の働きが低下しやすい時期です。「夏は胃腸も無理したくない季節なんだな…」と、少しいたわってあげてください。

 


 

 

 「令和8年 潰瘍性大腸炎・クローン病患者家族の会」、無事終了しました。暑い中ご参加いただき有難うございました。企画していただいたあかし保健所相談支援課のみなさんもご苦労様でした(毎回企画に乗っからせてもらってます、ありがたい🥰)。参加された方のアンケート結果などは改めてお伝えしたいと思いますが、今回は私が担当したミニレクチャー「IBDを『正しく』周囲に伝える”翻訳”フレーズ集」の内容をまとめてご紹介します。

 

 

 

「こんな悩みはありませんか?」

 

 講演のはじめに、こんな質問を投げかけました。

  •  体調が悪いのに、無理をして「大丈夫」と言ってしまう(職場・学校)
  • せっかくの誘いを断るのが申し訳ない(友人・恋人)
  • 「なんで分かってくれないの!」とイライラしてしまう(日常)

 IBDを抱える方なら、どれかひとつは「あるある」と感じていただけるのではないでしょうか。この「伝えにくさ」をどう乗り越えるか──そのヒントとして、今回はアサーティブ・コミュニケーションという考え方をご紹介しました。

 

 

なぜ「翻訳」が必要なのか

 

 そもそも、IBDはなぜ周囲に伝えにくいのでしょうか。理由は主に3つあります。

  • 外見からわからない
    IBDは「見えない障害」です。しんどくても見た目は健康そうに見えてしまいます。だからこそ、周囲の理解が得られにくいという現実があります。
  • 言葉に馴染みがない
    「潰瘍性大腸炎」「クローン病」「寛解・再燃」──これらはどれも医療用語で、患者さんにとっては当たり前の言葉でも、一般の方にはなかなか伝わりません。
  • 波のある病気
    良い日も悪い日もある。この「波」こそが、周囲に理解されにくい最大の原因です。「この前は元気そうだったのに…」という誤解につながりやすいのです。

 だからこそ、「正確・簡潔・相手目線」の言葉で伝える「翻訳力」が大切になってきます。

 

 

アサーティブ=「自分も相手も大切にする」

 コミュニケーションには大きく3つのスタイルがあります。

  1.  アグレッシブ(攻撃的)・・・ 自分の主張を押し通す。「こっちの言う通りにして!」
  2.  ノンアサーティブ(受動的)・・・ |自分が我慢する。「もういい…私が我慢すれば…」
  3.  アサーティブ(適切)・・・ お互いを尊重して対等に話し合う。「私はこう感じています。こうしてもらえますか?」|

 IBDの患者さん・ご家族に多いのは、「ノンアサーティブ」なパターンです。相手に迷惑をかけたくない、申し訳ないという気持ちから、つい言葉を飲み込んでしまう。その結果、自分がどんどんしんどくなってしまいます。

 アサーティブ・コミュニケーションは、相手を責めるわけでも、自分が我慢するわけでもありません。自分の気持ちも相手の立場も大切にしながら、正直に伝えるスタイルです。

 

アサーティブ・コミュニケーションの4つの柱

 アサーティブなコミュニケーションには、根っこにある4つの大切な考え方があります。

  1. 誠実・・・自分にも相手にも正直であること。「大丈夫」と言いながら大丈夫でない状態を続けることは、自分への不誠実でもあります。
  2. 率直・・・自分の意見を隠さず、飾らず、ストレートに伝えること。オブラートに包みすぎると、肝心なことが伝わりません。
  3. 対等・・・お互いに上下関係を意識せず、対等な立場で向き合うこと。「迷惑をかけている側」として萎縮する必要はありません。
  4. 自己責任・・・自分の言動に責任を持ち、その結果を受け入れる姿勢。伝えるかどうかを決めるのは自分自身であり、その選択に自信を持つことが大切です。

 この4つを意識するだけで、「どう伝えたらいいかわからない」という迷いがずいぶん楽になります。

 

感情的にならずに伝わる「DESC法」

 アサーティブ・コミュニケーションを実践するための具体的なフレームワークとして、「DESC法」を紹介しました。4つのステップで構成されています。

D(Describe・状況描写):客観的な事実・起きている症状を伝える  例:「今日はトイレが30分に1回以上必要な状態です」

E(Explain・状態の説明):自分の主観的な気持ち・不安を伝える  例:「出勤できるか不安で、皆さんに迷惑をかけそうで申し訳ないです」

S(Specify・具体的提案):してほしい具体的な配慮や代替案を伝える  例:「今日は在宅勤務か、休暇を取らせていただけますか?」

C(Choose・選択の提案):相手の反応に応じた次の選択肢を示す 例:「もし難しければ、午後から出勤する形でも対応します」

 (Cのステップは「交渉・歩み寄り」の段階なので、必ずしもすべて使わなくてOK)

 

 

「翻訳」フレーズを作る3つのコツ

 DESC法をIBDの「翻訳」に応用すると、フレーズ作りのコツが見えてきます。

  1. 病態を一言で表す(Describe):「腸の粘膜が慢性的に炎症を起こす病気」→「腸が常に軽い火傷状態」のようにイメージ化する
  2. 相手が知りたいことに答える(Explain):「なぜ急にトイレへ?」という疑問に対して、症状の理由を先に短く説明する
  3. 「お願い」を具体的に伝える(Specify):「配慮してほしい」は曖昧。「トイレに近い席にしてほしい」など、相手がすぐに動ける形で伝える

 

 

翻訳フレーズの「共通チェックリスト」

 最後に、どんな相手・シーンでも使える確認ポイントをまとめました。

✅ 病名・「難病」という言葉を使っているか

✅ 「突然・頻回・波がある」を説明しているか

✅ 相手への具体的なお願いを入れているか

✅ 「治療中・コントロール可能」を伝えているか

✅ 相手の立場(職場・学校・個人)に合わせているか

 

言葉は「橋」になる

 IBDは「見えない病気」です。だからこそ、言葉が周囲との橋になります

 完璧に説明できなくていいです。伝えようとすること自体が、すでに大きな一歩です。まず一言、「腸の病気があります」から始めてみてください。その言葉が、少しずつ周りの理解を広げていきます。IBDと向き合いながらも、ご自身の生活を前向きに歩んでいける方が一人でも増えることを願って、今後も患者さん・ご家族のお力になれるよう取り組んでいきたいと思います。

 

 

 

 

 

 今回のテーマ、実際に長年病気を抱えて生きてこられた方がどう受け取られるか、若干不安でした(自分で考えておいてなんですが…)本当の苦労は当事者でなければ絶対分からないと思います。ただ、長年IBDに、ある意味「客観的」に関わってきた人間からの一つの意見として参考にしていただけたのであれ嬉しいです😄

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