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おなかブログ

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”D”だったり”S”だったり  ~過敏性腸症候群のおはなし~

 

あんどう消化器内科IBDクリニックのブログです。

 

 当院は専門クリニックということもあり(自分で看板に掲げてるだけですけど)、潰瘍性大腸炎やクローン病など、炎症性腸疾患(IBD)の患者様に多く来ていただいています。ですが、それと同じぐらい”過敏性腸症候群(いわゆるIBS)”の方も来ていただいています。IBSについては以前のブログでも少し取り上げました(ブログ:お腹と心の関係 ~過敏性腸症候群について~)。治療に関しては、ある意味IBDより難しいと感じることもしばしばで、なかなか厄介な病気です(名前も似ていて紛らわしいです…どうでもいいですけど。病態も複雑ですが、「通常の検査では腸に炎症・潰瘍・内分泌異常などが認められないにも関わらず、慢性的に腹部の膨張感や腹痛を訴えたり、下痢や便秘などの便通の異常を感じる症候群です。腸の内臓神経が何らかの原因で過敏になっていることにより、引き起こされると考えられています。」と説明されています(厚生労働省 e-ヘルスネットより引用)症状は様々ですが、いずれにしても腸の動きに異常が起きて不快な症状が起きていることは確かです

 


 

 アロマテラピーは、精油(エッセンシャルオイル)、または精油の芳香や植物に由来する芳香を用いて、病気や外傷の治療、病気の予防、心身の健康やリラクゼーション、ストレスの解消などを目的とする療法です(…と、Wikipediaに書いてあった)。その中でもペパーミント(いわゆるハッカ)が、消化不良や制吐、痙攣止めなどに有効であることは経験的によく知られています。

 

買ってきて1週間で枯らしたことがあります…

 

 「シソ科の多年草です。さわやかなメントールの香りは中枢神経を刺激して眠けを吹き飛ばし、脳の働きを活性化します。またペパーミントティーは古くから食べすぎ、飲みすぎ、食欲不振、胃痛などに用いられてきました。科学的研究によるとペパーミントの精油は平滑筋に直接的に作用し、カルシウムイオンの調整を行って局所に鎮痙作用を発揮することが報告されています。」(リベラシオンホームページより)

 

 「香りでリラックスしておなかの動きが落ち着くんだろうな~」と思っていたのですが、ペパーミント自体に鎮痙作用があり、直接摂取することでも効果を発揮します。実際、胃カメラ中に胃粘膜へ直接ペパーミントの主成分であるメントールを散布すると一時的に胃の動きが止まることは広く知られており、実際の胃カメラでも広く使われています(ミンクリア内用散布液0.8%)

 

よく効くときはほんとにピタッと止まります


 

 であれば、腸の動きの異常が起きている過敏性腸症候群の治療にペパーミントが有効なのでは、という発想になるのですが...やっぱりあるんですね 🙂

 

~~ 以下、メーカーのHPより ~~

西洋ハーブの過敏性腸症候群改善薬

コルペルミン
「コルペルミンは、欧州でIBSの治療に長年使用されてきたペパーミントオイルを有効成分とする医薬品です。ペパーミントオイルがIBSの症状を改善します。」(ゼリア新薬HPより)

 

 国内では半年前に発売されたばかり(僕も最近知りました 😳 )ですが、海外では40年以上前から使われている、実績のあるお薬です。また、2020年に刊行された「機能性消化管疾患ガイドライン2020ー過敏性腸症候群(IBS)(改訂第2版)」でも、「ペパーミントオイルは有用であり、使用することを提案する。」という記載があり(CQ3-20 IBSに補完代替医療は有用か?)、従来の治療で改善がない方や改善していても十分ではない方は一度試してみてもよいのではと思います。ただし、あくまで過敏性腸症候群と診断されている方のみが使用できる薬であり、使用する際は必ず担当の先生とよく相談してからにしてください。 

 

 


 

 本来であれば薬の効果などをお伝えできれば良いのですが、このコルペルミン、OTC薬(医師の処方箋がなくても薬局などで購入できる、いわゆる「市販薬」のこと)なんです。逆に言えば、病院では処方できない薬ということになるので、患者さんに処方して効果があったかどうかを確認することが出来ないんです 😥 本来であれば、安全かつ効果がある薬であれば使ってみたいのですが...。使用された経験がある方、是非使ってみた感想を教えてください 😆  

 

 

 

 

 

 あ、もちろん薬の宣伝ではないのでお間違えなく 😆 

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