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おなかブログ

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くすりのおはなし

 

 あんどう消化器内科IBDクリニックのブログです。

 

 当院は消化器内科、特に潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患(IBD)に特化したクリニックです(クリニック名、そのままです)。もちろん多くの炎症性腸疾患患者さんに通院していただいていますが、通院患者さんで一番多いのは「過敏性腸症候群」の方です。「過敏性腸症候群」については以前のブログで取り上げました(おなかと心の関係~過敏性腸症候群について~)

 病気の原因はともかく、腹痛、便秘、下痢などの症状には、何らかの”腸の動きの異常”が関係しています。おなかが動きすぎれば下痢になる、というのはイメージがしやすいと思いますが、動き過ぎていても、便を体外に出すための有効な動きではない(腸が空回りしているイメージです)ときは、逆に便秘として自覚されることもあります

 そんなおなかの動きの異常を調整するときに使用される薬としてセレキノン®(一般名;トリメブチンマレイン酸塩)というものがあります。

 

 

 以下、少々専門的ですが、セレキノンの作用機序の説明です。

 


 

腸管には、オピオイド受容体というスイッチが存在します。この受容体がアセチルコリンやノルアドレナリンの分泌に関わっています。

腸管運動が活発なときにセレキノン®を投与すると、アチセルコリン分泌に関わる副交感神経のオピオイド受容体(μ受容体、κ受容体)へ作用します。これが、アセチルコリンの分泌低下に繋がり、腸管運動を低下させます。

一方、腸管運動が低下しているときにセレキノンを投与すると、ノルアドレナリン分泌に関わる交感神経のオピオイド受容体(μ受容体)へ作用します。これが、ノルアドレナリンの分泌低下に繋がり、腸管運動を活発にさせます。

消化管の状態が活発であっても低下している状態であっても、セレキノンは適切な状態を維持させることができるのです。

基本的には、セレキノンを少量投与すると消化管機能が活発になり、大量投与で消化管機能が抑制されます。通常は、大量投与することで、「過敏性腸症候群による下痢や腹痛などの症状を取り除くため」にセレキノンが使用されます。

(役に立つ薬の情報~専門薬学 HPより抜粋)


 

 要するに少なめに投与すればおなかの動きをよくして、多めに投与すればおなかの動きを抑える、というユニークな働きをします。過敏性腸症候群の方はもちろん、炎症性腸疾患の方もおなかの動きの異常がみられることが多いため、個人的には非常によく処方するお薬です

 

 

 

 

 ですが・・・

 

 

 

 このセレキノンですが、ジェネリック薬品も含め現在非常に手に入りにくくなっています。正確に言えば、「出荷調整がかかっており、薬局に薬が入ってこない」状況です。最近立て続けに起こっているジェネリック医薬品メーカーの不祥事『小林化工116日業務停止命令 虚偽記録8割、経営陣黙認』『後発薬大手、日医工が「製造不正10年」の唖然』により、販売量の多いジェネリックメーカーからの供給が絶たれ、別のメーカーの薬を調達しようと各薬局が動いた結果、全く関係ない後発品メーカーが対応しきれず出荷調整がかかったという流れのようです。

 

 事情が事情だけに仕方がないところもありますが、他に代わりになる薬もなく、正直非常に困っています😱。早くもとの状況に戻ってほしいと思う今日この頃です。

 

 

 

 

・・・今回は薬の説明をしようと思っていたのですが、最後はただの愚痴になってしまいました 😫

 

 

 

 

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